20代の青春を彩った「新宿の純喫茶」と深夜の過ごし方

 

20代の青春を彩った「新宿の純喫茶」と深夜の過ごし方

 

20代の頃、私は本当に喫茶店が大好きでした。

 

1日3回、多い時には5回も喫茶店に通っていたほどです。

 

朝の出勤前、昼休み、仕事終わりの夜と、

 

平日でも最低3回は立ち寄っていました。

 

休日ともなれば、喫茶店はまるで

 

もう一つの自分の部屋のような存在でした。

 

 

「朝寝坊から始まる、休日の喫茶店ライフ」

 

休みの日は、まず朝10時頃までぐっすりと寝て、

 

そこからのんびりと支度して

 

喫茶店へ向かうのが定番の流れ。

 

お気に入りの席に座って、

 

コーヒーを飲みながら新聞や雑誌を読む。

 

何とも贅沢な時間が、そこには流れていました。

 

店内にはタバコの煙とコーヒーの香りが入り混じり、

 

クラシックやジャズが静かに流れている。

 

そんな空間で過ごすひとときは、

 

日常の喧騒を忘れさせてくれるものでした。

 

 

「新宿の喫茶店は、友達との待ち合わせ場所」

 

友達と会うときの集合場所も、やっぱり喫茶店。

 

特に新宿の喫茶店をよく利用していました。

 

私は大森、友達は多摩エリアに住んでいたので、

 

新宿はお互いにとって都合の良い中間地点だったのです。

 

新宿には喫茶店だけでなく、

 

映画館、百貨店、本屋、レコード屋と、

 

何でも揃っていて退屈しません。

 

待ち合わせして、まず喫茶店で数時間おしゃべり。

 

話が盛り上がりすぎて、

 

気づけば2時間、3時間があっという間に

 

過ぎていることもよくありました。

 

 

「飲みよりも、また喫茶店」

 

おしゃべりに一区切りついたら、今度は一緒に食事。

 

食事後にまた別の喫茶店へ移動して、

 

さらに数時間語り合う

 

そんな時間の使い方が当たり前でした。

 

20代という時期は、

 

好奇心旺盛でエネルギーに満ちあふれていて、

 

話題も尽きることがありませんでした。

 

特に土曜日の夜に会うと、

 

次の日は日曜日。仕事のことを気にせず、

 

心ゆくまで喋れるという安心感もあり、

 

ついつい長居してしまうのです。

 

 

深夜の新宿と「深夜喫茶」という存在

 

当時は、深夜まで営業している喫茶店、

 

いわゆる「深夜喫茶」が新宿に多く点在していました。

 

深夜0時を過ぎても営業している店は貴重で、

 

終電を逃してしまっても、

 

深夜喫茶に入れば朝まで時間をつぶせたのです。

 

もちろん、深夜料金は発生しましたが、

 

それでも手軽で静かに過ごせる場所として、

 

多くの若者に利用されていました。

 

今のようにカラオケボックスや

 

ネットカフェ、24時間営業のチェーン店がなかった時代です。

 

夜の新宿での選択肢といえば、居酒屋か深夜喫茶。

 

多くの人が後者を選んでいたのは、

 

財布にやさしく、静かに語れる

 

空間だったからかもしれません。

 

 

「今では懐かしい、あの頃の外食事情」

 

当時は、今のように

 

23時間営業のファーストフード店は

 

ほとんどありませんでした。

 

マクドナルドやケンタッキー、

 

ロッテリア、ミスタードーナツなども、

 

夜10時か11時には閉店。

 

ファーストキッチンはまだ存在せず、

 

ジョナサンやガストも普及していない時代です。

 

ロイヤルホストやデニーズは一部にありましたが、

 

数が少なく、

 

探さなければ見つからないものでした。

 

今のように

 

「とりあえずファミレスで時間をつぶそう」という発想は、

 

当時にはありませんでした。

 

 

「カラオケ文化が生まれる前の歌の場所」

 

カラオケボックスが登場する前、

 

若者たちが歌を楽しむ場所といえば

 

「歌声喫茶」や

 

「レーザーカラオケのあるスナック」でした。

 

スナックには、小さなステージや

 

スタンドマイクが用意されており、

 

知らない客の前で一人ずつ歌うというスタイル。

 

今のように仲間内だけで盛り上がる

 

個室カラオケは存在せず、

 

「歌う=知らない人たちの前で歌う」

 

ことを意味していました。

 

人前で歌うことに抵抗がある人は、

 

歌声喫茶でみんなと一緒に

 

合唱するスタイルを選ぶこともありました。

 

あの頃の「喫茶店文化」は、私の青春そのもの

 

振り返ってみると、喫茶店は単なる飲食店ではなく、

 

私にとっては心のよりどころのような存在でした。

 

友達との再会の場所であり、

 

自分だけの読書時間の場所であり、

 

深夜の居場所でもあったのです。

 

今ではコンビニやチェーンカフェ、

 

スマホやSNSといった新しいライフスタイルが主流ですが、

 

昭和から平成初期にかけての「喫茶店文化」には、

 

時代を超えて共感できる温かさがあります。

 

機会があれば、もう一度あの頃のように、

 

純喫茶でゆっくりと流れる時間を楽しんでみたい

 

そんな気持ちにさせてくれる、懐かしい思い出です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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